「ビジネスクラスでの海外旅行」と聞くと、庶民には無縁だとか、学生や20代には難しいと考える方も多いのではないでしょうか。実は、工夫してチケットを取ることで、まだ収入高いわけでない20代や若年層はもちろん、アルバイトの学生などでも無理なく使うことができます。
今回は、「憧れのビジネスクラス」の実態を余すところなく紹介します!
NH869の概要
- 路線:東京・羽田~マニラ
- 定時出発時刻:9:45(日本時間)
- 定時到着時刻:13:30(フィリピン時間)
- 予定ブロックタイム:4:45
- 運賃:43,000マイル+25,100円(往復計6区間の合計)
- 東京→マニラ(ANA B787-9)
- マニラ→ソウル(アシアナ航空 A330-300)
- ソウル→セブ(アシアナ航空 A321)
- セブ→台北(エバー航空 A330-300)
- 台北→香港(エバー航空 B787-10)
- 香港→羽田(ANA B767-300)
ANA BUSINESS STAGGERED NH869便羽田~マニラ搭乗レポート
今回搭乗したのはボーイング787-9という、米国・ボーイング社製の飛行機です。ボーイング787は、2011年に運航開始した新型中型機で、電子カーテンや比較的乾燥が抑えられているのが特徴です。
ビジネスクラスは、「ANA BUSINESS STAGGERED(ANA ビジネススタッガード)」と呼ばれる、座席を互い違いに配置した配列が特徴で、全席から他人の前を通ることなく直接通路にアクセスできること、座席を180度フラットに倒すことができることが主な特徴です。
チェックイン
今回は、オンラインチェックインが済んでいたため手荷物預入れ専用の「Baggage drop」Cカウンターでの手続きとなりました。Cカウンターはほとんど並んでいなかったため、エコノミークラスでの旅行でもスムーズに利用ができそうです。
ビジネスクラス利用の場合、Baggage dropが混雑していればビジネスクラスカウンターでスムーズに手荷物を預けることもできます。状況に合わせて好きなほうを選ぶとよいでしょう。
オンラインチェックインは、ANAの公式ホームページで座席指定を行いパスポート情報などを登録しておくことで、自動的にチェックインされます。
ビジネスクラス利用なので32kgまでの荷物を2個まで無料で預けることができますが、ランドリー利用を前提とした身軽な荷物だったので、私自身は特に恩恵を感じることはありませんでした。
成田空港では優先保安検査場を利用することができますが、羽田空港の国際線では上級会員とファーストクラス利用者に限られます。この時は一般レーンもあまり並んでいませんでしたが、混雑する時期は注意が必要です。2020年3月から第二ターミナルでの国際線運航が開始されるので、それに合わせて改善されると良いのですが…
蛇足となりますが、保安検査場ではPC、電子機器を出して検査を受けなければなりません。いつもPCやタブレット、充電器など多くの電子機器を持参しているのですが、B4サイズのメッシュケースで一つにまとめていたのはとても便利でした。
ANA LOUNGE
ビジネスクラスを利用する際、楽しみの一つと言えるのは、ラウンジが利用できること。航空会社ラウンジは、上級会員や上級クラス利用者専用の待合室で、食事やドリンクなどのサービスを楽しめるほか、シャワーなどのサービスも用意されています。
- ソフトドリンク
- アルコール
- 食事(ビュッフェ形式・ヌードルバー)
- シェフサービス「だし茶漬け」(114番ゲート付近 09:00~10:30)
- シャワールーム
- ビジネスサポート(Wi-Fi、コピー等)
- 雑誌、新聞
ラウンジ内は、様々な客席レイアウトがあり、用途やニーズに合わせてそれぞれが快適に過ごすことができます。家族連れであればテーブル席、仕事をしたければカウンター席のように使い分けができるということで、飛行機が見える窓側の席も人気です。
今回提供されていたのは、スクランブルエッグやシュウマイなどのほか、様々なパンやサンドイッチなど。ホテルの朝食バイキングをイメージすると良いかもしれません。
そのほかに、注文するとできたてを提供してもらえる「ヌードルバー」では、豚骨ラーメンとそば、うどんを注文することができます。
ドリンクも非常に充実していて、一通りのソフトドリンクが提供されていることはもちろん、ビールに日本酒、焼酎、ウイスキーなどのアルコール類も充実しています。アサヒやキリンなど、複数銘柄のビールが用意されているのも良いですね。
今回は、搭乗まであまり時間がなかったので、機内食のことも考えて軽く朝食を取ることにしました。
写真ではシェードが下りてますが、太陽の向きが変わってきたころに上げられていて、開放的な眺望が楽しめました。
座席(ビジネススタッガード)
舞台は機内に移り、午前9:45、ほぼ定刻に出発しました。5時間弱の空の旅を共にした、ANA BUSINESS STAGGEREDの座席を紹介します。
ANA BUSINESS STUGGEREDは、レポートの冒頭で紹介したように、座席を互い違いに配置した配列することで、全席から直接通路にアクセスでき、座席を180度フラットに倒すことができることが主な特徴です。直接通路にアクセスできることで、他人の前を通ることなくお手洗いに立つことができることや、座席をフラットに倒してゆっくりと寝ることができるのは大きなのメリットでしょう。
今回は、機内を前に向かって右側の一番前の席「1H」を選んだのですが、座席が通路側にあり落ち着かず、窓が遠いため結果としては失敗でした。逆に言えば、窓側の席を選べばかなりのプライベート空間を確保することができるということになり、一人で搭乗する際は座席が窓側にある列を選ぶことがおすすめです。
それでは、このシートの詳細を紹介していきます。今回は敢えて不便に感じたことから紹介していきますが、BUSINESS STAGGEREDはとても優れたビジネスクラスのシートなので、ほとんど上げるべき点はありませんでした。
- シートポケットがない(スマホや小物を収納できない)
- 端子や電源の位置
まず、座席についてすぐに不便に感じたことは、シートポケットがないということです。エコノミークラスや、旧型のビジネスクラスではシート前方にシートポケットがあり、携帯電話などの小物を収納することができますが、ANA BUSINESS STAGGEREDでは機内誌などが入れられているマガジンラックに他の物を入れることができないようになっています。サイドテーブルに置くのも離着陸や揺れたときに落ちそうなので、ちょっとしたポケットがあると便利だと感じました。
座席とサイドテーブルが互い違いに配列されているという性質から、電源やヘッドホン端子の位置も互い違いに設置されています。今回利用した1Hの座席では右側に各種端子があるのですが、機内備え付けのヘッドホンやコントローラ-をはじめ、PCなど身の回りの電子機器の多くは電源端子が左側に設計されているので、ケーブル類が全て自分の前を通ることになるのでこれはデメリットだと感じました。
ひじ掛けを薄くして座席幅を少しでも広げる工夫だとは考えられますが、是非次の新型シートでは改善してほしいポイントです。
- 座席の前後移動
- 電源(USB,ACともにある)
- IFE(18インチ大型モニターとヘッドホン)
ANA BUSINESS STAGGEREDのシートはフルフラットになることが特徴。逆に言えば、シートの前後の長さはかなり長く、普通に座るとモニターがかなり遠くにあるということになります。ところが、このシートにはリクライニングなどのほかにも座席を前後に動かせる機能があるので、食事や映画を見るときは前、リラックスするときは個室感がある後ろというように調節できます。
また、電源がUSB,ACともに設置されているため、電池が足りなくなりがちな旅行時にも安心して電子機器を使うことができます。
IFE(インフライトエンターテイメントシステム)については、次に詳しく紹介しますが、飛行機の機内としてはかなり大型となる18インチ(約46センチ)のモニターが設置されていて、ノイズキャンセリングなどの機能はありませんが十分に映画が楽しめるヘッドホンが設置されています。
IFE(インフライトエンターテイメントシステム)
IFEとは、インフライトエンターテイメントシステムのことで、機内で楽しめる映画や音楽、ゲームなどを指します。殆どの国際線の設備として備わっており、飛行機で見る映画が旅行の楽しみの一つだという方も多いのではないでしょうか。
ANAのボーイング787-9はIFEもとても充実していて、今年実写化されたディズニー映画のアラジンやハリウッド化して注目を集めた名探偵ピカチュウなど、話題の最新作を豊富に取り入れています。
また、飛行機の現在位置やスピードなどを知ることができる、「スカイマップ」は今までのように地図上に現在地を表示することができるなどの機能はもちろん、飛行機の運転席のコックピット風の画面で景色と合わせて楽しむことができました。
提供されたアメニティ
- スリッパ
- 枕、毛布
- 歯ブラシ
- マウスウォッシュ
- ボディータオル
歯ブラシとマウスウォッシュ、ボディータオルはお手洗いの中に設置されていました。近距離アジア路線では基本的なアメニティのみ提供されますが、欧米路線などの長距離便ではパジャマやベッドパットなども提供してもらえます。詳細は公式ページをご確認ください。
食事
今回、機内食は、洋食を選択しました。メインは「チキンのグリル カレー風味のラタトゥイユ」で、アペタイザー(前菜)として真鯛のマリネなどが提供されました。コース料理のメニュー形式ですが、短距離便なので一つのプレートに全て載せて配膳されます。
離陸前に希望を聞かれることが多いので、ドリンクも含めて席に着いたら早めに決めておくと良いでしょう。機内食は事前にホームページで予約することもできます。ドリンクメニューもとても豊富で、30種類以上のシャンパンやワイン、カクテル、ソフトドリンクから選ぶことができます。
ドリンクのおかわりは、こちらから呼ばなくてもかなり頻繁に聞きに来てくれます。食後一時間ほどたち、ジュースを頼もうかとメニューを見ていたところ、「お飲み物はいかがでしょうか?」と聞いてくれました。丁寧と感じるか、監視されているように感じるかは人それぞれですが、少なくとも自身は不快に感じることはなく、気づかいには本を出版しているだけあって力を入れているんだなと感じています。
ちなみに、外資系の他社では多く提供されている「ウェルカムドリンク」はありませんでした。
食後、機内ではドリンクと共に映画を鑑賞するなど、携帯が通じないところで普段とはちょっと違った時間を楽しみ、定刻より30分ほど早い13時頃マニラに到着しました。機内Wi-Fiは有料なのですが、むしろ「プチデジタルデトックス」ができると考えれば無くても良いサービスなのかもしれませんね。
まとめ
マイルをためたり、ツアーを活用することで、意外とリーズナブルにビジネスクラスの旅行を楽しむことができます。特に、深夜便を利用する場合は翌日の疲れが全く異なるので、貴重な旅行の時間を有意義に使いたい、旅行でちょっと贅沢をしてみたいと考えている方には、飛行機をランクアップしてみるのもおすすめ。
LCCを利用する際は、エアアジアやスクートの一部路線で「プレミアムフラットベッド」などのビジネスクラスを利用することができます。特にリーズナブルに利用したい方は、こうした航空会社を利用してみるのもいいでしょう。
通常の料金では乗ることができなくても、マイルをためれば無理なく乗ることができるでしょう。クレジットカードをしっかりと活用することで、ビジネスクラスにも無理なく乗れるくらいのマイルが貯められますよ。
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