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着陸態勢から急上昇…危険を回避「ゴーアラウンド」とは

ゴーアラウンドの理由① 管制官から指示された

航空管制官がいるような一般的な空港では、着陸に際して管制官の許可が必要になります。このため、滑走路の手前まで飛んできたとしても、管制官から着陸許可が出ていない場合、目前の滑走路に勝手に着陸することはできません。

また、滑走路の安全性を保持できないと管制官が判断した場合、例え一度は着陸許可が出たとしても、管制官からゴーアラウンドを指示された場合、パイロットはそれに従い、着陸を中止して再び上昇しなければなりません。

ゴーアラウンドの理由② 滑走路が閉鎖されている

着陸しようとしていた滑走路で、着陸直前になって滑走路上で機体の部品やオイルなどの落下物が見つかったり、バードストライク(鳥との衝突)が発生すると、滑走路が閉鎖になってしまいます。

また、排水溝の能力を超えるほどの大雨で滑走路が冠水している、大雪で滑走路上に積雪している、寒さで滑走路面が凍結している、メンテナンスや点検で工事車両・点検車両が入り作業をしているなどといった場合でも、滑走路の安全性が保持できないため、滑走路が閉鎖になります。

当然のことながら、閉鎖されている滑走路に着陸することはできないため、着陸直前に滑走路が閉鎖された場合、ゴーアラウンドして着陸を中止しなければなりません。

ゴーアラウンドの理由③ 滑走路に障害物がある

一方、管制官から着陸許可が出ていて、落下物の報告もない中で、パイロットが落下物などの第一発見者となってしまった場合は、パイロットの判断でゴーアラウンドし、管制官に落下物の報告を行います。

工事車両や点検車両は管制官の指示で滑走路内に進入するので、ヒューマンエラーが起こらない限り作業中の滑走路に航空機を着陸させたりはしません。

そのため、航空機のパイロットが着陸直前に気付く滑走路上の障害物の例としては、先述した機体の部品やオイル、滑走路の舗装の一部が剥げて路面上に転がっていることもあれば、バードストライク(鳥との衝突)が発生した場合は鳥の死骸が落ちていることもありますし、野良犬や野生の鹿、小動物が逃げ回っているなんてこともあります。

ゴーアラウンドの理由④ 滑走路に他の航空機が進入している

原則として滑走路には航空機は1機しか入れません。そのため、前方にいて着陸した航空機がまだ滑走路上にいたり、先行する着陸機や離陸機との間隔が危険なほど詰まったり、着陸直前に滑走路を横断する航空機がいた場合や、トラブルを起こし滑走路上に立ち往生した航空機がいた場合には、着陸許可が出ていたとしても着陸はできず、パイロットの判断や管制官からの指示でゴーアラウンドとなります。混雑する空港でよく発生します。

ゴーアラウンドの理由⑤ 視界不良で滑走路が見えない

濃霧や大雨、大雪、暴風雨、暴風雪などで空港周辺の視界が悪くなると、例え照明が灯っていたとしても、高速で飛行する航空機からしてみれば、低高度まで来ても滑走路が見えない中、突然地面が現れる危険な状態になるため、一定の高度まで降下してきても滑走路や滑走路の灯火を視認できない場合、着陸許可が出ていたとしても、パイロットの判断でゴーアラウンドを行います。

地形上視界不良が発生しやすい地域の空港の一部では、地上の設備から航空機へ誘導電波を飛ばすILS(計器着陸装置)の精度を上げ、パイロットが着陸を決行するかゴーアラウンドするかを判断する高度を、より低高度にすることができています。

ゴーアラウンドの理由⑥ 強風で機体が安定しない

航空機は通常風に向かって着陸していきます。これは空気力学に明るい人ならすぐに分かるかもしれませんが、機体は前に進むときに正面から風を切ることで揚力を得、機体が安定します。そのため、強い追い風や強い横風が吹いていた場合、機体が安定せず安全な着陸を行うことが出来ません。

滑走路を複数持つ大規模な空港であれば、風向きに応じて着陸に使用する滑走路を使い分けることが出来ますが、滑走路が1本しかなかったり、横風用の滑走路がない空港では、強い追い風や強い横風が吹いて機体が安定しない場合は、着陸許可が出ていて滑走路までたどり着いたとしても、ゴーアラウンドして危険を回避する場合があります。

それでは、ゴーアラウンドした機体はどこに向かっていくのでしょうか?

次のページでは、ゴーアラウンドした機体のたどる経路を紹介します!

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